そこで、逸早く見ごろを迎える旧古河庭園の、いつもながらのツイッターで開花状況を確認する。
すると、すでに満開となっており、曇り空の今日こそがバラ鑑賞の絶好のチャンスと踏んで、早速出かけることにした。
その見込みは、ほぼ当たっていたと言っていい。
これまでに見たことのない美しい種々のバラが、庭園の隅々まで咲き誇っていた。
昨年も、バラと同じ時期に咲いていたジャーマンアイリス。
白地に爽やかな紫のフリルのラインが清楚で美しい。
今年は、珍しいピンク色のものなど、多品種が咲くのを見ることができた。
遥か昔に来たときは、情報も乏しかったこともあり、タイミングも合わず、バラは殆ど咲いていなかったように記憶する。
昨年久しぶりに訪れた際は、他のバラの名所を優先して後回しになって、完全に出遅れてしまった。
ここは、他の庭園などと比べて、花も紅葉もすべて早めに最盛期が訪れると知らず、スケジュール立てを失敗したのだ。
実は、最盛期の旧古河庭園のバラが、ここまで手入れが行き届いて、こんなに美しく咲くとは想像していなかった。
正直言って、それほどは期待していなかったのだ。
植物園でもないのに、一つ一つのバラすべてに、写真付きのネームプレートが設置されている。
多種多様な美しいバラの競演。
その一部ではあるが、ピックアップしてみよう。
ビッグ・ドリーム |
香貴 |
ジッフェ |
朱王 |
デザート・ピース |
フレンチレース |
ニュー・アベマリア |
シャルル・ドゥ・ゴール |
ダイアナ・プリンス・オブ・ウェールズ |
エグランタイン(マサコ) |
来客者への丁寧な心遣いというか、育てる側の思い入れというか、そこに「薔薇愛」を感じてしまった。
まさに手塩にかけて育成しているのが伝わってくる。
ここまでが、庭園に入ってすぐの洋館側面のエリアのバラたち。
洋館の庭側正面のバラも満開に。
フロージン ’82 |
桃香 |
プリンセス・ミチコ |
インカ |
プリンセス・オブ・ウェールズ |
この庭も、洋館を設計したジョサイア・コンドルが造ったとのこと。
リオ・サンバ |
クリスチャン・ディオール |
クィーン・エリザベス |
この「クィーン・エリザベス」が最高の美しさだった。
いつか、このバラの最盛期を目当てに、また訪れるのもいい。
贔屓のバラを探し出せた幸せ。
朝雲 |
琴音 |
カクテル |
初恋 |
リオ・サンバ |
サハラ '98 |
しばらく見入っていると、曇りの予報に反して強い日差しが出てきたので、日本庭園に散策しながら、翳るのを待つことにした。
階段を下りるところにあるノイバラ。
早速、いつもの日本庭園への道を下る。
池の畔をぐるりと一周巡ってみる。
奥の院型灯籠 |
ツワブキ |
ベニシダ |
雪見型灯籠 |
清々しい新緑の季節のライムグリーンを堪能して、再び、バラのガーデンへ。
階段下から見上げるバラの棚。
結局、日本庭園を一周して戻っても、あまり日差しの強さは変わらなかった。
カトリーヌ・ドゥヌーブ |
イングリット・バーグマン |
ヘルムット・シュミット |
昨年遅くきて、最盛期だった緑光は、やはり蕾が多い。
清楚で控えめに咲く、淡いピンク色の「クィーン・エリザベス」は、何度見ても美しく、やはり私の一番の好みのようだ。
時間があれば、洋館の中からバラを眺めて見たかった。
帰り際、芝の広場側からバラを望む。
昨年たくさん赤い花をつけていたブラシノキは、これから最盛期に入るもよう。
イブ・ピアッチェ |
一年越しの念願、好物のわらび餅を食べに行くためである。
つい先日、横山大観記念館行きのあと寄って見たが、あまりに混んでいて断念したのだった。
「駒込」から南北線に乗って、「東大前」で降りればいいと思い込んでいたが、念のために車内でグーグルマップを確認すると、とんでもない。
「後楽園」の方がまだ近い。
それならば、丸の内線に乗り換え、一駅先の「本郷三丁目」で降りれば、最寄り駅で早いのだが、それも面倒なので「後楽園」で下車して歩くことにした。
メイン通りから外れた裏道を歩くのが新鮮で、キョロキョロしていると、坂を上り始めたところで、まさにそのワクワク感に応えてくれる、古い土蔵と昭和過ぎる建物を発見。
近づいてみると、立て看板には「一葉ゆかりの伊勢谷質屋店」とあるではないか。
昭和どころではない、江戸末期の万延元年創業の質店で、明治40年に改築された建物だった。
更に先を行くと、もっと年代物そうな木造家屋が坂に沿って建っている。
後で調べて見たら、この階段を降りたところに、樋口一葉旧居跡の古井戸が残っているとのこと。
ここは「菊坂」といい、一葉ゆかりの地として、また古い家並みの残る風情を散策できる坂として紹介されている。
佳景探訪 本郷 菊坂界隈
それにしても、あらためて東京の坂の多さ、生活風景に入り込んだ歴史・文化遺産の身近さを実感させられる。
今後の東京散策の新たな見どころを発見できて、楽しみに期待感が膨らんでくる。
そうこうするうちに、「くろぎ」に到着。
平日でもお客さんで賑わっている。
外国人客もいるが、結構多いのが、私のように一人で訪れる女性。
明らかに、これを食べる目的で。
期間限定の〈みたらしミルク〉のかき氷 |
今日のように、夕方から急に涼しくなってくると、全部食べるのは厳しいように思うが、若さと、かき氷好きには無縁な心配だろう。
さて、私のほうと言えば、やっと大好物のわらび餅を食することのできる喜び!
できたてのわらび餅は少し温かいので、氷で冷やしていただく。
きなこと黒蜜をたっぷり絡め、口の中で頬張ると、とろける美味しさ。
量が多いので、途中飽きるかと思いきや、お茶と御香々を挟むと、また甘味の美味しさを引き立ててくれる。
わらび餅を思う存分味わい、堪能しながら完食する。
セットの猿田彦珈琲の水出しアイスコーヒーも、デキャンタで2杯分はあり、これまた最高に美味だった。
少し肌寒いくらいだったが、外で食べるのにとても気持ちがいい季節だ。
今日も何だかんだと、てんこ盛りの楽しい体験ができて、大満足の一日だった。
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