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2017年5月15日月曜日

旧古河庭園の薔薇~菊坂~くろぎ・わらび餅

薔薇の季節がやって来た。
そこで、逸早く見ごろを迎える旧古河庭園の、いつもながらのツイッターで開花状況を確認する。
すると、すでに満開となっており、曇り空の今日こそがバラ鑑賞の絶好のチャンスと踏んで、早速出かけることにした。

その見込みは、ほぼ当たっていたと言っていい。
これまでに見たことのない美しい種々のバラが、庭園の隅々まで咲き誇っていた。


昨年も、バラと同じ時期に咲いていたジャーマンアイリス。
白地に爽やかな紫のフリルのラインが清楚で美しい。
今年は、珍しいピンク色のものなど、多品種が咲くのを見ることができた。





ともかく、この時期に去2回見た旧古河庭園の風景とは、全く違っていた。

遥か昔に来たときは、情報も乏しかったこともあり、タイミングも合わず、バラは殆ど咲いていなかったように記憶する。
昨年久しぶりに訪れた際は、他のバラの名所を優先して後回しになって、完全に出遅れてしまった。
ここは、他の庭園などと比べて、花も紅葉もすべて早めに最盛期が訪れると知らず、スケジュール立てを失敗したのだ。

実は、最盛期の旧古河庭園のバラが、ここまで手入れが行き届いて、こんなに美しく咲くとは想像していなかった。
正直言って、それほどは期待していなかったのだ。

植物園でもないのに、一つ一つのバラすべてに、写真付きのネームプレートが設置されている。
多種多様な美しいバラの競演。
その一部ではあるが、ピックアップしてみよう。
ビッグ・ドリーム

香貴

ジッフェ

朱王



デザート・ピース

フレンチレース

ニュー・アベマリア

シャルル・ドゥ・ゴール

ダイアナ・プリンス・オブ・ウェールズ

エグランタイン(マサコ)

来客者への丁寧な心遣いというか、育てる側の思い入れというか、そこに「薔薇愛」を感じてしまった。
まさに手塩にかけて育成しているのが伝わってくる。
ここまでが、庭園に入ってすぐの洋館側面のエリアのバラたち。

洋館の庭側正面のバラも満開に。

フロージン ’82



桃香

プリンセス・ミチコ


インカ

プリンセス・オブ・ウェールズ



この前庭の下には、幾何学的な左右対称に型どられた西洋式の庭がある。

この庭も、洋館を設計したジョサイア・コンドルが造ったとのこと。


 早速、一つ一つのバラをじっくりと鑑賞してみる。
リオ・サンバ

クリスチャン・ディオール

クィーン・エリザベス

この「クィーン・エリザベス」が最高の美しさだった。
 他のバラと違って、まだ蕾がかなりある。
 いつか、このバラの最盛期を目当てに、また訪れるのもいい。
贔屓のバラを探し出せた幸せ。

朝雲


琴音


カクテル
初恋

リオ・サンバ


アンジェラも少し早いが、濃いピンクの美しい発色にうっとりさせられる。

黄色からオレンジ色のグラデーションが出る「サハラ '98」。

サハラ '98


しばらく見入っていると、曇りの予報に反して強い日差しが出てきたので、日本庭園に散策しながら、翳るのを待つことにした。



階段を下りるところにあるノイバラ。


早速、いつもの日本庭園への道を下る。
 新緑に覆われる5月の青空。
池の畔をぐるりと一周巡ってみる。


奥の院型灯籠


ツワブキ

ベニシダ

雪見型灯籠





清々しい新緑の季節のライムグリーンを堪能して、再び、バラのガーデンへ。

階段下から見上げるバラの棚。


結局、日本庭園を一周して戻っても、あまり日差しの強さは変わらなかった。


女優名など著名人の名がついたバラのコーナーもある。
カトリーヌ・ドゥヌーブ


イングリット・バーグマン


ヘルムット・シュミット

昨年遅くきて、最盛期だった緑光は、やはり蕾が多い。

一通り見終えて、再度お気に入りのバラを見て回る。



清楚で控えめに咲く、淡いピンク色の「クィーン・エリザベス」は、何度見ても美しく、やはり私の一番の好みのようだ。

時間があれば、洋館の中からバラを眺めて見たかった。


帰り際、芝の広場側からバラを望む。


よく手入れされた花壇には、ゼラニウムやキンギョソウも植えられている。

昨年たくさん赤い花をつけていたブラシノキは、これから最盛期に入るもよう。



イブ・ピアッチェ
これで見納め。 


旧古河庭園を後にして、もう一つの目的である、東大春日門の「くろぎ」へと向かう。
一年越しの念願、好物のわらび餅を食べに行くためである。
つい先日、横山大観記念館行きのあと寄って見たが、あまりに混んでいて断念したのだった。

「駒込」から南北線に乗って、「東大前」で降りればいいと思い込んでいたが、念のために車内でグーグルマップを確認すると、とんでもない。
「後楽園」の方がまだ近い。
それならば、丸の内線に乗り換え、一駅先の「本郷三丁目」で降りれば、最寄り駅で早いのだが、それも面倒なので「後楽園」で下車して歩くことにした。

メイン通りから外れた裏道を歩くのが新鮮で、キョロキョロしていると、坂を上り始めたところで、まさにそのワクワク感に応えてくれる、古い土蔵と昭和過ぎる建物を発見。
近づいてみると、立て看板には「一葉ゆかりの伊勢谷質屋店」とあるではないか。
昭和どころではない、江戸末期の万延元年創業の質店で、明治40年に改築された建物だった。

更に先を行くと、もっと年代物そうな木造家屋が坂に沿って建っている。
後で調べて見たら、この階段を降りたところに、樋口一葉旧居跡の古井戸が残っているとのこと。
ここは「菊坂」といい、一葉ゆかりの地として、また古い家並みの残る風情を散策できる坂として紹介されている。
佳景探訪 本郷 菊坂界隈

それにしても、あらためて東京の坂の多さ、生活風景に入り込んだ歴史・文化遺産の身近さを実感させられる。
今後の東京散策の新たな見どころを発見できて、楽しみに期待感が膨らんでくる。

そうこうするうちに、「くろぎ」に到着。

平日でもお客さんで賑わっている。
外国人客もいるが、結構多いのが、私のように一人で訪れる女性。
明らかに、これを食べる目的で。
期間限定の〈みたらしミルク〉のかき氷


今日のように、夕方から急に涼しくなってくると、全部食べるのは厳しいように思うが、若さと、かき氷好きには無縁な心配だろう。

さて、私のほうと言えば、やっと大好物のわらび餅を食することのできる喜び!

できたてのわらび餅は少し温かいので、氷で冷やしていただく。
きなこと黒蜜をたっぷり絡め、口の中で頬張ると、とろける美味しさ。

量が多いので、途中飽きるかと思いきや、お茶と御香々を挟むと、また甘味の美味しさを引き立ててくれる。
わらび餅を思う存分味わい、堪能しながら完食する。
セットの猿田彦珈琲の水出しアイスコーヒーも、デキャンタで2杯分はあり、これまた最高に美味だった。

5時を回って、人も少なくなった。
少し肌寒いくらいだったが、外で食べるのにとても気持ちがいい季節だ。

今日も何だかんだと、てんこ盛りの楽しい体験ができて、大満足の一日だった。










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