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2017年6月26日月曜日

清瀬あじさいロードのアートなアジサイ

アジサイの季節がやって来た。
昨年は、都内のアジサイの有名スポットである、白山神社、府中市郷土の森博物館、豊島園などを訪れた。そして、何度となく見てきた地元清瀬のあじさいロードも散策した。

今年もアジサイの名所めぐりでいくつか候補が挙げてみたが、アジサイの種類や美しさから言えば、清瀬あじさいロードには敵わないように思えた。

勿論、借景を含む全体の景観では比較にならないだろうが、先日の「ブリューゲル展」に行った際の上野公園のアジサイを見ても、今年は雨が不足して、花つきも生育もよくなく、わざわざ足を運ぶ気になれなかった。

地元も例外ではなく、買い物への通り道で見るアジサイは、例年に比べ、極端に花つきが悪い。
それが全てとは限らないので、ともかく、アジサイの最盛期が始まる6月下旬に入ったところで、自宅のすぐ裏手のあじさいロードへ、デジカメ片手に出かけてみた。

清瀬高校から始まって、複十字病院、中央公園、中央公園沿道と、長く続く一本道に点在するアジサイは、園芸種が多くバラエティに富んでいる。
清瀬高校の構内にもアジサイが沢山植えられており、毎年あじさいウィークには一般に開放される。しかし、なぜかいつも早めに始まるので、最盛期とズレることが多い。

そして、起点である清瀬高校にさしかかると、やはり花つきが極端に悪いので、真っ直ぐに行かず、左の沿道を見ることにした。
少し小粒だけれど、まずまずの咲き具合。ただし、密度はやはり低い。
雨が少なく、アルカリ性の土壌だからか、色は暖色で濃い目。
今回は、全体の景観があまり良くないので、写真はズームアップして捉え、アジサイの微妙な色合いを楽しむことにした。

それにしても、アジサイほど、自然が創る多様な色彩と、そのグラデーションを楽しめる花はなかろうと思う。
咲き始めから終わりにかけて、花の色は徐々に変化するし、その年の雨量や日照など生育環境が異なることで、色付きも毎年同じというわけではない。
そして、一つの花は決して単色ではなく、芸術的なまでの色彩のグラデーションを発色するアジサイもある。
毎年、絵の具では表しきれない、殆ど奇跡的ともいえる天然色の素晴らしさを発見しては、感嘆するのである。





今年のアジサイは、特に個性的な色彩を放っているように思う。
水分が不足して、枯れかけているようでもあり、油絵のザラザラしたタッチのような渋い色合いである。







続いて、清瀬高校の庭に面した沿道を過ぎたところで、隣接する松山緑地保全地域に入る。
ここを迂回すると、あじさいロードに戻れるのである。

鬱蒼とした雑木林から降り注ぐ、フィトンチッドのシャワーを浴びながら、思い切り深呼吸する。
シンボルツリーの大きなヒマラヤ杉

秋になると真っ赤に紅葉する大きなカエデも、今は深緑に輝いている。

清瀬高校の先のあじさいロードに出て、続いて複十字病院のアジサイが見えてくる。
 ここは巷ではあまり見ない、多種多様なアジサイの群落を見られるスポットだが、やはりかつて見た花のボリュームにやや欠けている。







複十字病院沿道から道路を渡って、中央図書館に隣接する中央公園のテニスコートを過ぎるあたりから、再び種々のアジサイを見ることができる。
中央公園の中に入る前に、そのまま公園の沿道のあじさいロードを進む。








子どもたちが元気よく走り回って遊ぶ中央公園には、いつの間にか、可愛いオブジェも置かれていた。



爽やかなアイスブルーのタマアジサイの咲き始めは、淡いグリーンだ。
それがまた可愛い。
そして、だんだんと白さが増してくる。
最後にブルーに変化する。

この辺りは、アナベルがまとまって見れるエリアでもあるが、最近は少し株が小さくなり、だいぶ花も少なくなったのが残念。


花つきの少なさは、過去に撮った写真と比較するとよくわかる。
ZILの気ままにブログ「アジサイ・一期一会」(2011年6月)
花と季節のアルバム「アジサイロード・中央公園裏沿道」(2008年6月)


アジサイの頭から、巻き付いたにツル草が伸びているのが可愛らしい。
ツル草に巻き付かれたアジサイに限って、より美しいように感じるが、土壌がいいせいもあるのだろうか。

今度は、少し引き返して、豊かな色彩のアジサイを楽しめる中央公園に入る。




この美しい薄紫色のガクアジサイが、中央公園の主役であり、生垣のように整然と並ぶさまは圧巻なのだが、やはり以前に見た素晴らしい光景と比較すると、今年の花つきには落差を感じてしまう。





花と季節のアルバム「アジサイロード・清瀬中央公園」(2008年6月)

それでも、一つひとつの、その時々の花の美しさは、他には替えがたく、ただただ、その自然美に嘆息するばかり。






大好きなカシワバアジサイを知ったのも、この中央公園で見たのがきっかけだった。

以来、ずっと自宅のベランダで育て、毎年欠かさず花を咲かせてきたが、今年初めて花がつかなかった。
剪定の失敗もあったのかもしれないが、やはり、今年はアジサイの開花にとって、あまり良いコンディションではなかったのかもしれない。
遠い目でガーデニングに精を出していた頃を懐かしむ、我が家のカシワバアジサイ物語。
麗しのカシワバアジサイ(1)
麗しのカシワバアジサイ(2)
カシワバアジサイ・ハーモニー&スノーフレーク

更に、中央公園では、色彩のグラデーションが鮮やかなアジサイにも出会える。





ごく普通のブルーのアジサイは、大きく美しく咲いていた。


再び、帰りの道すがら、複十字病院のアジサイに目を向ける。
珍しい、八重のタマアジサイも、かつてはたくさん見られた。
花と季節のアルバム「アジサイロード・複十字病院内」(2008年6月)

清瀬高校の沿道へと戻ってくると、ピンク色のタマアジサイは、元気に咲いているではないか。
今年の特徴的な渋い色を放って、なかなか素敵。










またも、9年前の写真と比較してみる。
花と季節のアルバム「アジサイロード・清瀬高校周辺」(2008年6月

同じ場所に咲くアジサイの、その時々の表情の豊かさに、感動すら覚える。
自宅からわずか5分でたどり着く身近な処で、こんな美の発見ができることの幸せ。
これからも、ずっと、我が町清瀬のあじさいロードのアジサイを見続けていこう。
ツル草が巻き付くアジサイ










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