Translate

2017年6月12日月曜日

梅雨の合間のリフレッシュ~向島百花園&清澄庭園


東京都立の9庭園の中で、最後に残った未踏の庭園、向島百花園にやっと行くことができた。
ここは、自宅からは最も遠く、スカイツリーのすぐそばに位置する。
六義園や小石川後楽園などの大名庭園とは異なり、町人が造った庶民派の庭園である。


向島百花園は、「ミヤギノハギ、筑波のススキなど詩経や万葉集などの中国、日本の古典に詠まれている有名な植物を集め、四季を通じて花が咲く」、山野草を中心とした「文人趣味豊かな庭」とのこと。

なるほど、入るとすぐ秋の七草の一つ、カワラナデシコが可憐に咲いていた。

 他にも季節の花々が園内の随所に咲き、散策しながらの目を楽しませてくれる。
ナンテン


シモツケ

ハナショウブ
オカトラノオ


スカシユリ

ユスラウメ
ザクロ

萩のトンネルが有名なので、秋には勿論再訪する予定にしている。

今日の訪問は、季節がら、ハナショウブとアジサイがお目当て。
特にアジサイの園芸種、「墨田の花火」が見ごろを迎えたとの情報に釣られてやって来た。
墨田の花火


 元々は梅の木が主に植えられていたので、白加賀なども多く目に付く。

全体として花は多くはないが、グリーンと水辺の風景が素晴らしい。
目と身体に優しく、とても癒される。


背景にはスカイツリー。

鬱蒼とした歴史を感じさせる竹林に繋がる「文人庭」には、芭蕉などの句碑が数多く建つ。 

帰って調べてみると、岡倉天心らによって建てられた、月岡芳年扇之碑があると知った。
歌川国芳の弟子の、近年再評価がすすむ月岡芳年
8月に太田美術館で開催される月岡芳年 妖怪百物語にもく予定である。
次回、向島百花園を訪れた際に探してみよう。


曇り空の予報に反して、陽が照って反射が強い。藤棚の下の椅子で休み、陰るのを待つ。

すぐ隣にも、大きな「墨田の花火」が涼し気に咲いていた。



数は少ないが、やはり水辺のハナショウブは日本情趣に溢れ、凛として美しい。

それにしても、ここのところ、美術展以外の外出がなかったので、直に接する自然の美しさと瑞々しさが、より心身に沁みこんでくる気がする。




想像以上に見ごたえのあった向島百花園を後にして、急ぎ、同じ沿線の清澄庭園に向かう。

5時閉園、入園締め切り4時半ギリギリに滑り込み、自由広場のハナショウブを目指す。

 爽やかなブルーの西洋タマアジサイ。

春に、今年初めてソメイヨシノを鑑賞したのは自由広場だったが、今年初めてのハナショウブ鑑賞の日も、清澄庭園となった。

花はやや小さめで、花つきはやはり少な目。

今日はまだ少し早かったのか、例年に比べて咲き具合がよくないのか。
しかし、水辺の流れるような配置のハナショウブの景観は、風情があって美しい。

そこに、お馴染みのアオサギが登場。

同じアオサギでも、体が伸びると別の鳥のよう。





自由広場から大泉水周辺に出て、帰りの道すがら、ぐるっと周遊するだけでも気持ちがいい。
中の島には、カモやアオサギが休憩中。
閉園まで、あと10分もないが、橋が目に留まると、つい渡ってみたくなる。
すると、クチナシの花が、むせるような強い芳香を漂わせて迎えてくれた。
それだけでも来た甲斐があったと思うくらい、うっとりする良い香りに包まれる。

対岸の大正記念館前のアジサイにも寄って見たい。

もう、誰もいなくなった庭園を独り占めしたような満足感。
と思いきや、あと5分だというのに、家族連れの子どもたちが、何やら奇声をあげている。
そこで、磯渡りの石を渡って、そちらの方に行ってみる。
肥満コイたちも何やら騒々しい。
カメも続々陸に上がってきている。
そして、なんと、カメと並んで、珍しいスッポンが、トボケた顔を覗かせている。
初めて見るスッポンの、ちょっとブサイクな顔だが、なんとなく愛嬌がある。

閉園時間となると、係員が餌でも与えるのだろうか。
池の生き物たちは、皆ひどく興奮しているようだ。
これを見て、子供たちも興奮気味にはしゃいでいたのだった。
もう5時になるというのに。

という私も、最後の最後まで清澄庭園の景観を楽しんでいた。


大正記念館周辺のグリーンがとても美しく、名残り惜しむ。



僅かな時間の訪問だったが、清澄庭園ならではの楽しみを体感できた。
急ぎ足ながらも、向島百花園共々、美しい草木と花と水辺の風景に癒され、思わぬ梅雨の合間のリフレッシュ。充実した一日となった。





0 件のコメント:

コメントを投稿