小石川後楽園は、東京の紅葉狩りでは一番人気のスポットだそうだ。
11月27日付けのYouTubeの映像では、警備員が最後尾を示すプレートを掲げるほど、入り口付近より長蛇の列ができている様子や、園内の混雑ぶりと、イロハモミジの色づき具合を見ることができた。
例年のごとく、東京で鮮やかな深紅のカエデを探すのは難しい。茶色く立ち枯れた木も散見され、今年の訪問はパスするつもりだった。
ところが、12月に入った直後の小石川後楽園の紅葉情報を見てみると、園内の一部分の写真ではあるが、なかなか綺麗に紅葉しているのが目に留まった。
更に、「都内紅葉情報 紅葉を見に行こう!」によると、都内の庭園では、カエデの本数が最も多いということを知る。
そうなると、俄然出かけて確かめてみたくなる。果たして、私の都内ナンバーワン庭園の六義園と比べて、より美しい紅葉に出会える場所であるのかと。
後楽園駅を降りて、正門に向かう外壁から溢れ出ている美しい紅葉を見ながら歩いているうちに、だんだんその期待感が膨らんでくる。
そして、入り口に着いた途端、探し求めている真っ赤な紅葉がいきなり目に入って来るや、勝負ありと確信してしまった。
切符売り場では、若干混雑していたが、フリーパスを持っているので、それを係りの人に掲げ、並ばずに入園することができた。
春に桜を見に来たとき、そして、初夏にハナショウブを見に来たときとは、まるで異なる風景の華やかさがある。
やはりイロハモミジの数の多さであろうか。前二回の訪問では、新緑の頃と若干ずれていたためか、カエデの木がこれほどまで随所に植えられ、園内の其処彼処に赤い色彩が浮き立つであろうことに、まるで想像が及ばなかった。
早速、園内を周遊してみる。
渡月橋を渡って、築山を上り、赤い通天橋を見下ろす。
カエデはやはり淡い色調ではあるが、京都の高尾や名刹の紅葉散策を彷彿とさせる風情を楽しむことができる。
九八屋から石橋方面を望む |
石橋近くの深紅のカエデ |
これほど鮮血のよう真っ赤なカエデを見るのは、実に久しぶりのことなので、何だか昂奮してきた。
八つ橋から望む背景の紅葉 |
円月橋近くの紅葉 |
沢わたり付近の紅葉 |
石橋あたり |
九八屋を覆うカエデの大木 |
大泉水のほとりには、それほどカエデは多くない。
続いて、唐門跡方面へと向かう。
この付近の木は、背が高く、日照があまりよくないのか、色づきもまだ完全ではないものの、ボリュームがあって見ごたえがある。
時間があれば、もっとじっくりと散策したかった。
ほぼ園内を一周して、最後は紅葉林の広場である。
大泉水を臨みながら、ベンチに座ってゆっくりするのにいい処だ。
どうやら、小石川後楽園は、紅葉を愛で、晩秋の風情を堪能できる都内随一の庭園であると言って過言はないようである。
名残惜しい小石川後楽園を後にして、今日の目的の一つである、神宮外苑のイチョウ並木を見に、総武線の信濃町駅へと向かう。
小石川後楽園の白壁に接する道は、後楽緑道として整備されている。
行きも帰りも、園内の様子を伺ったり、周囲の風景を楽しみながら散策できるのがうれしい。
そして、なんと、緑道の途中にある小石川後楽園展示室の裏手の建物には屋上庭園があり、そこから園内を見下ろすこともできるのである。
さて、だいぶ日も傾いてきたが、何とか神宮外苑のイチョウ並木に到着。
やはり、紅葉情報にあったとおり、イチョウはかなり落葉していた。
例年なら、カエデの紅葉が終り始めるころ、イチョウが最盛期を迎えるはずであるが、今年はイチョウの方が早く色づき、落葉する木が多かったようである。
黄色の絨毯もだいぶ踏み荒らされてしまっていた。
でも、黄金ロードの雰囲気は堪能できた。
隣接する公園の紅葉が気になって、中に入っていくと、イチョウの黄葉もこれからというところだった。
お洒落な佇まいで、ここでコーヒーでも飲んで一休みしたくなる。
再びイチョウ並木に戻って、帰り際、シェイク・シャックに立ち寄る。
時間がかなり押してしまっているので、最後は早食い競争のようにバーガーとポテトを頬張る羽目に。
辺りはすっかり暗くなってきている。
青山一丁目駅方面へとイチョウ並木を抜けていくと、ここの大木は今が見ごろ。
こちら側から見て行けばよかったかも知れない。
次回はもっと余裕をもって訪れるとしよう。
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