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2016年12月5日月曜日

晩秋の小石川後楽園~神宮外苑



小石川後楽園は、東京の紅葉狩りでは一番人気のスポットだそうだ。

11月27日付けのYouTubeの映像では、警備員が最後尾を示すプレートを掲げるほど、入り口付近より長蛇の列ができている様子や、園内の混雑ぶりと、イロハモミジの色づき具合を見ることができた。

例年のごとく、東京で鮮やかな深紅のカエデを探すのは難しい。茶色く立ち枯れた木も散見され、今年の訪問はパスするつもりだった。

ところが、12月に入った直後の小石川後楽園の紅葉情報を見てみると、園内の一部分の写真ではあるが、なかなか綺麗に紅葉しているのが目に留まった。
更に、「都内紅葉情報 紅葉を見に行こう!」によると、都内の庭園では、カエデの本数が最も多いということを知る。


そうなると、俄然出かけて確かめてみたくなる。果たして、私の都内ナンバーワン庭園の六義園と比べて、より美しい紅葉に出会える場所であるのかと。



後楽園駅を降りて、正門に向かう外壁から溢れ出ている美しい紅葉を見ながら歩いているうちに、だんだんその期待感が膨らんでくる。 

そして、入り口に着いた途端、探し求めている真っ赤な紅葉がいきなり目に入って来るや、勝負ありと確信してしまった。




切符売り場では、若干混雑していたが、フリーパスを持っているので、それを係りの人に掲げ、並ばずに入園することができた。


春に桜を見に来たとき、そして、初夏にハナショウブを見に来たときとは、まるで異なる風景の華やかさがある。

やはりイロハモミジの数の多さであろうか。前二回の訪問では、新緑の頃と若干ずれていたためか、カエデの木がこれほどまで随所に植えられ、園内の其処彼処に赤い色彩が浮き立つであろうことに、まるで想像が及ばなかった。



早速、園内を周遊してみる。

渡月橋を渡って、築山を上り、赤い通天橋を見下ろす。
カエデはやはり淡い色調ではあるが、京都の高尾や名刹の紅葉散策を彷彿とさせる風情を楽しむことができる。






九八屋から石橋方面を望む

石橋近くの深紅のカエデ

これほど鮮血のよう真っ赤なカエデを見るのは、実に久しぶりのことなので、何だか昂奮してきた。

八つ橋から望む背景の紅葉

円月橋近くの紅葉

沢わたり付近の紅葉

石橋あたり

九八屋を覆うカエデの大木

大泉水のほとりには、それほどカエデは多くない。
続いて、唐門方面う。
この付近の木は日照あまきもまだ完全ではないものの、ボリュームがあって見ごたえがある。
時間があれば、もっとじっくりと散策したかった。


ほぼ園内を一周して、最後は紅葉林の広場である。
大泉水を臨みながら、ベンチに座ってゆっくりするのにいい処だ。


どうやら、小石川後楽園は、紅葉を愛で、晩秋の風情を堪能できる都内随一の庭園であると言って過言はないようである。

名残惜小石川後楽園今日目的神宮外苑イチョウ並木見に、総武線の信濃町駅へと向かう。



小石川後楽園の白壁に接する道は、後楽緑道として整備されている。
行きも帰りも、園内の様子を伺ったり、周囲の風景を楽しみながら散策できるのがうれしい。



そして、な、緑道の途中にある小石川後楽園展示室の裏手の建物には屋上庭園園内見下



さて、だいぶ日も傾いてきたが、何とか神宮外苑のイチョウ並木に到着。
やはり、紅葉情報にあったとおり、イチョウはかなり落葉していた。
例年なら、カエデの紅葉が終り始めるころ、イチョウが最盛期を迎えるはずであるが、今年はイチョウの方が早く色づき、落葉する木が多かったようである。
黄色の絨毯もだいぶ踏み荒らされてしまっていた。
でも、黄金ロードの雰囲気は堪能できた。




隣接する公園の紅葉が気になって、中に入っていくと、イチョウの黄葉もこれからというところだった。


お洒落な佇まいで、ここでコーヒーでも飲んで一休みしたくなる。




イチョウ並木に戻って、帰り際、シェイク・シャックに立ち寄る。

時間がかなり押してしまっているので、最後は早食い競争のようにバーガーとポテトを頬張る羽目に。


辺りはすっかり暗くなってきている。
青山一丁目駅方面へとイチョウ並木を抜けていくと、ここの大木は今が見ごろ。
こちら側から見て行けばよかったかも知れない。

次回はもっと余裕をもって訪れるとしよう。































2016年12月2日金曜日

錦秋の六義園



六義園に訪れるのは、今年4回目となった。

新緑のカエデの美しさに感動して、秋に再訪するのは、その時に決まっていた。


数ある庭園の中でも、六義園は年間を通して何度も訪れたくなると思うのは、もちろん私だけの話ではない。

全国の紅葉狩りで人気の場所でいえば、「門家が選ぶ 昼も夜も紅葉を楽しめる庭園東西10 」では、六義園が東の堂々1位に選ばれ、「秋の風情は万国共通 外国人が好きな紅葉の名所は?」でも、京都の名刹と共に入選している。

11月中旬くらいから、大泉水辺りの大きなカエデの木のライトアップの様子や、園内の色づき情報が日々ホームページで更新されている。
そして、最も見ごたえがあると思われる裏山の「つつじ茶屋」の付近は、12月初旬が見ごろと案内されているので、ギリギリまで待とうと考えていた。

しかし、渡月橋の辺りの色づきがかなり進んでいる写真を見たら、ともかく行ってみて確かめたくなってくる。

駒込駅を降りて、いつものように六義園に向かうと、平日にも拘わらず染井門が開いていた。4回目にして初めてのことであるが、駅からぐっと近くなるのでありがたい。

園内に入って、背の高い木々の間を歩きはじめた瞬間、全身がフィトンチッドに包まれ、深呼吸せずにはいられなくなる。やっぱり来てよかったと、気分上々。





まっすぐ歩いていくと、シンボルツリーの枝垂桜のある広場にすぐ着いた。そこでは、小さな菊花展も設営されており、曲芸師の演目も始まっていた。



六義園跡に植えられたカエデの大木は、淡いながら瑞々しい色づき。


大泉水の水面に映るカエデは色づきが冴えず、コンディションが良くない。絵になる景観なのに残念。

渡月橋の辺りも色は薄めながら、まずまずの色彩が見られた。

とは言え、これもよく見るとカエデではなく、ハゼの木。

ハゼの紅葉だけは気候の変動にあまり影響されないようだ。


裏手の川沿いのドウダンツツジの紅葉もまた、気候にあまり左右されずに色づく。

今回の訪問の一番の目的である、「つつじ茶屋」のカエデの景観へさっそく向かう。

しかし、全体としてかなり淡い色合い。


ここが真っ赤に染まったら、さぞ美しいだろうと思いを馳せる。

寧ろ、黄色いカエデの方が鮮やかな色彩をなしている。

たまに部分的に真っ赤に色づくカエデもあった。



更に先に行くと、名物六義園団子が売られている。醤油団子に目のない私は食べずにいられない。

一休みしてから、「滝見茶屋」へと進む。

ここもライトアップされるスポットのようだ。
まっすぐ伸びたイチョウの木もあって、なかなか風情のある景観。


大泉水を挟んで対岸の「吹上茶屋」を望む。

普段は一般公開されていない「心泉亭」。
紅葉シーズン中は、上がってお茶を飲みながら、大泉水を臨むことができる。



二周目に入って、藤代峠に向かう。


いつもながらの藤代峠からの景観。
ここからは紅葉の木はあまり目に留まらない。



対岸から望んだ「吹上茶屋」に到着。ここもドウダンツツジの赤が鮮やか。

茶屋の裏手の吹上峯に、錦秋に相応しい、赤く燃える一本のカエデの木があった。

その奥は、先ほどの「つつじ茶屋」から上がってきた際の黄葉のカエデがある。




やはり、イチョウとカエデの艶やかな色彩のコントラストは、晩秋の紅葉の醍醐味を堪能させてくれる。



最も美しい六義園の錦秋を求めて、毎年通うことになるだろう。