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2021年5月19日水曜日

黒目川源流スポットへの散策~<ワーズワース>

 


先日は、黒目川支流の落合川の終点へのウォーキングだったが、今度はグーグルマップで見つけた、黒目川の始点となる小平霊園内の「さいかち窪」を目指す。

黒目川は、東京都と埼玉県を流れる荒川水系の一級河川。新河岸川の支流で、小平霊園内の「さいかち窪」を水源とするが、大雨でも降らない限り、通常は枯れ窪とのこと。かつての源流は、萩山駅の方まで辿れるという。

たびたび利用している黒目川沿いのウォーキングコースは、商業施設のクルネ付近までしか歩いたことがない。そこから上流に向かう遊歩道が、水源辺りまで続いてくれればありがたいのだが・・・。

ほどなくして、以前自転車で通った時に気になっていた下里氷川神社が見えてくる。


ちょこっと立ち寄ってみると、意外に奥深く、趣きもあった。

この辺りから、遊歩道が途切れたようで、川から逸れて一般道を歩く。

再び黒目川に戻ると、「しんやま親水広場」の広々した気持ちのいい川辺にたどり着いた。桜並木もあるので、お花見シーズンにはまた来てみたい。

川では番のカモが、必死に餌をついばんでいる。(もう一匹は草の陰。背中だけ見えているのだが…)



それにしても、水量がかなり少なく、上流へ行けば行くほど減っていく。

カモも陸に上がって餌探し。


このあと、黒目川から外れて、もう一つの目的地であるカフェ、<ワーズワース>にて小休憩。


入り口前の庭のイングリッシュ・ラベンダーの紫が鮮やか。だいぶ前に来たときも、ローズマリーやミントなど、ハーブがたくさん植えられていて素敵だった。


外観を撮り忘れたが、建物は三角屋根の高い天井で、広々してゆったりと落ち着ける空間だ。


アイスコーヒーとケーキでまったり過ごす。

とはいえ、時間が押しているので、そこそこで店を後にして、早速元の地点に戻り、遊歩道の続きを進んでいく。

またも道を見失い、一般道を先に進んで戻って、後ろを振り返ると、実はもっと手前から遊歩道は繋がっていたようだ。

鬱蒼と雑木林が生い茂り、時々小雨降る曇天とはいえ、真っ昼間にもかかわらず、街灯が点いている。

薄暗い林に囲まれた小道を歩いていると、時が止まり、江戸時代にでもタイムスリップしてしまったような感覚。何やら、ちょんまげ頭がぬっと出てきそうな気配だ。

不慣れな道なので、日中でも一人で歩くにはちょっと怖い感じがする。

もうすぐ、小平霊園だし・・・いや、小平霊園は戦後まもなくに造られた都立霊園だから、ちょんまげはなかろうか?

そんなことを思い浮かべながら歩いて行くと、黒目川天神社と、「東京の名湧水57選」の標識があった。

ここは、東京の貴重な名湧水の一つに選ばれているようだが、残念ながら今日のところは、水は枯渇してカラカラ状態。

そして突き当りには、東久留米市指定文化財の、庚申塔、石橋供養塔、地蔵菩薩石蔵が、ひっそり佇んでいた。

家に帰ってから調べてみると、黒目川天神社の辺りは、「かつての武蔵野の原風景を思わせる、神社に隣接するうっそうとした屋敷林や社寺林」とあり、やはり、ちょんまげがとっても似合う場所なのだと、妙に納得。

黒目川天神社


ここでまた遊歩道は途絶え、迂回する。

もう小平霊園は目の前だ。

小平側からの遊歩道の入り口。


新青梅街道を渡り、小平霊園に入るとすぐ「さいかち窪」があり、その左右に墓地が広がっている。

しかし、今日のところは時間切れて、広い「さいかち窪」に入る散策道も見つけられず、きっとこの奥に、黒目川の水源スポットがあるであろう雑木林を、外側から撮るのみ。


だいたい黒目川上流付近のウォーキングコースは飲み込めた。

来年の桜が咲く季節とまで先ではなく、次回は小平駅から出発して、まずは「さいかち窪」の水源スポットを見つけ、黒目川沿いを自宅方面へと下るコースを散策してみるとしよう。




2017年6月26日月曜日

清瀬あじさいロードのアートなアジサイ

アジサイの季節がやって来た。
昨年は、都内のアジサイの有名スポットである、白山神社、府中市郷土の森博物館、豊島園などを訪れた。そして、何度となく見てきた地元清瀬のあじさいロードも散策した。

今年もアジサイの名所めぐりでいくつか候補が挙げてみたが、アジサイの種類や美しさから言えば、清瀬あじさいロードには敵わないように思えた。

勿論、借景を含む全体の景観では比較にならないだろうが、先日の「ブリューゲル展」に行った際の上野公園のアジサイを見ても、今年は雨が不足して、花つきも生育もよくなく、わざわざ足を運ぶ気になれなかった。

地元も例外ではなく、買い物への通り道で見るアジサイは、例年に比べ、極端に花つきが悪い。
それが全てとは限らないので、ともかく、アジサイの最盛期が始まる6月下旬に入ったところで、自宅のすぐ裏手のあじさいロードへ、デジカメ片手に出かけてみた。

清瀬高校から始まって、複十字病院、中央公園、中央公園沿道と、長く続く一本道に点在するアジサイは、園芸種が多くバラエティに富んでいる。
清瀬高校の構内にもアジサイが沢山植えられており、毎年あじさいウィークには一般に開放される。しかし、なぜかいつも早めに始まるので、最盛期とズレることが多い。

そして、起点である清瀬高校にさしかかると、やはり花つきが極端に悪いので、真っ直ぐに行かず、左の沿道を見ることにした。
少し小粒だけれど、まずまずの咲き具合。ただし、密度はやはり低い。
雨が少なく、アルカリ性の土壌だからか、色は暖色で濃い目。
今回は、全体の景観があまり良くないので、写真はズームアップして捉え、アジサイの微妙な色合いを楽しむことにした。

それにしても、アジサイほど、自然が創る多様な色彩と、そのグラデーションを楽しめる花はなかろうと思う。
咲き始めから終わりにかけて、花の色は徐々に変化するし、その年の雨量や日照など生育環境が異なることで、色付きも毎年同じというわけではない。
そして、一つの花は決して単色ではなく、芸術的なまでの色彩のグラデーションを発色するアジサイもある。
毎年、絵の具では表しきれない、殆ど奇跡的ともいえる天然色の素晴らしさを発見しては、感嘆するのである。





今年のアジサイは、特に個性的な色彩を放っているように思う。
水分が不足して、枯れかけているようでもあり、油絵のザラザラしたタッチのような渋い色合いである。







続いて、清瀬高校の庭に面した沿道を過ぎたところで、隣接する松山緑地保全地域に入る。
ここを迂回すると、あじさいロードに戻れるのである。

鬱蒼とした雑木林から降り注ぐ、フィトンチッドのシャワーを浴びながら、思い切り深呼吸する。
シンボルツリーの大きなヒマラヤ杉

秋になると真っ赤に紅葉する大きなカエデも、今は深緑に輝いている。

清瀬高校の先のあじさいロードに出て、続いて複十字病院のアジサイが見えてくる。
 ここは巷ではあまり見ない、多種多様なアジサイの群落を見られるスポットだが、やはりかつて見た花のボリュームにやや欠けている。







複十字病院沿道から道路を渡って、中央図書館に隣接する中央公園のテニスコートを過ぎるあたりから、再び種々のアジサイを見ることができる。
中央公園の中に入る前に、そのまま公園の沿道のあじさいロードを進む。








子どもたちが元気よく走り回って遊ぶ中央公園には、いつの間にか、可愛いオブジェも置かれていた。



爽やかなアイスブルーのタマアジサイの咲き始めは、淡いグリーンだ。
それがまた可愛い。
そして、だんだんと白さが増してくる。
最後にブルーに変化する。

この辺りは、アナベルがまとまって見れるエリアでもあるが、最近は少し株が小さくなり、だいぶ花も少なくなったのが残念。


花つきの少なさは、過去に撮った写真と比較するとよくわかる。
ZILの気ままにブログ「アジサイ・一期一会」(2011年6月)
花と季節のアルバム「アジサイロード・中央公園裏沿道」(2008年6月)


アジサイの頭から、巻き付いたにツル草が伸びているのが可愛らしい。
ツル草に巻き付かれたアジサイに限って、より美しいように感じるが、土壌がいいせいもあるのだろうか。

今度は、少し引き返して、豊かな色彩のアジサイを楽しめる中央公園に入る。




この美しい薄紫色のガクアジサイが、中央公園の主役であり、生垣のように整然と並ぶさまは圧巻なのだが、やはり以前に見た素晴らしい光景と比較すると、今年の花つきには落差を感じてしまう。





花と季節のアルバム「アジサイロード・清瀬中央公園」(2008年6月)

それでも、一つひとつの、その時々の花の美しさは、他には替えがたく、ただただ、その自然美に嘆息するばかり。






大好きなカシワバアジサイを知ったのも、この中央公園で見たのがきっかけだった。

以来、ずっと自宅のベランダで育て、毎年欠かさず花を咲かせてきたが、今年初めて花がつかなかった。
剪定の失敗もあったのかもしれないが、やはり、今年はアジサイの開花にとって、あまり良いコンディションではなかったのかもしれない。
遠い目でガーデニングに精を出していた頃を懐かしむ、我が家のカシワバアジサイ物語。
麗しのカシワバアジサイ(1)
麗しのカシワバアジサイ(2)
カシワバアジサイ・ハーモニー&スノーフレーク

更に、中央公園では、色彩のグラデーションが鮮やかなアジサイにも出会える。





ごく普通のブルーのアジサイは、大きく美しく咲いていた。


再び、帰りの道すがら、複十字病院のアジサイに目を向ける。
珍しい、八重のタマアジサイも、かつてはたくさん見られた。
花と季節のアルバム「アジサイロード・複十字病院内」(2008年6月)

清瀬高校の沿道へと戻ってくると、ピンク色のタマアジサイは、元気に咲いているではないか。
今年の特徴的な渋い色を放って、なかなか素敵。










またも、9年前の写真と比較してみる。
花と季節のアルバム「アジサイロード・清瀬高校周辺」(2008年6月

同じ場所に咲くアジサイの、その時々の表情の豊かさに、感動すら覚える。
自宅からわずか5分でたどり着く身近な処で、こんな美の発見ができることの幸せ。
これからも、ずっと、我が町清瀬のあじさいロードのアジサイを見続けていこう。
ツル草が巻き付くアジサイ