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2016年6月4日土曜日

庭園の初夏の彩(2)小石川後楽園のハナショウブ


六義園を後にして、急ぎ小石川後楽園にやってくる。

まずは、ハスの葉の鮮やかなグリーンが目に留まる。

お目当てのハナショウブは、ほぼ見ごろを迎えていた。


すべて一斉に咲きそろうことはないにしろ、蕾もまだ多いので、最盛期はもう少し後なのかも知れない。



 ふと見ると、番のカモがハナショウブの水路を忙しなく泳ぎまわっている。



ひと回りして戻ると、陸に上がってお休み中。
 そして、完全に睡眠のポーズ。

最盛期手前とはいえ、ほぼ咲きそろったハナショウブの群落の、白から紫への色彩のグラデーションはやはり美しい。







さまざまなアングルでハナショウブを堪能したあと、広い庭園内を少し散策してみる。

新緑の時期は過ぎたが、まだ深緑に至らない木々の緑は目に優しく、清々しい。
蓬莱島


ここでもカモが、自分が主役だと言わんばかりに、景観の中心で寛いでいる。


涵徳亭の辺りも、見事なグリーンに囲まれている。
紅葉の頃は、さぞ美しい景観を楽しめるだろう。

西湖の堤では、一羽の大きなサギが、微動だにせず、佇んでいた。
その姿は、まるで思索に耽っている哲学者のようだ。



振り返ると、まだ哲学するサギは屹立したままだった。


名残り惜しい気持ちを置いて、今日一日歩き回って得た、湧き上がる満足感を胸に、足早に帰路に就く。



小石川後楽園






庭園の初夏の彩(1) 六義園のサツキとアジサイ



6月に入り、アジサイとハナショウブの季節がやってきた。
夏場に一段落する、華やかな花のリレーを辿る散策は、そろそろ佳境を迎えつつある。

まずは、小石川後楽園のハナショウブ。
しかし、その前に、またまた、大好きな六義園のサツキの花つきがもの凄いことになっているのを知り、急きょ立ち寄ることにした。


着いて見ると、本当にもの凄かった。
巨大なピンク色のトドが横たわっているかのよう。


とはいえ、ここは六義園。
美しい緑と水の日本庭園の風情の中に、サツキもちゃんと納まっているではないか。






サツキのグリーンとのコントラストも、目に鮮やかだ。



深緑になる前の、カエデやマツの抹茶色のグリーンも美しい。

いつものように、藤代峠から俯瞰する眺め

六義園には、アジサイもたくさん植樹されており、その名もアジサイ山というエリアがある。
それも、西洋タマアジサイではなく、日本の原種であるヤマアジサイが中心である。




少し早く咲く、控えめで清楚な額咲き、手まり咲きの様々なアジサイが、美しい緑に包まれて、あちらこちらで満開となっていた。




ヤマアジサイは日本情趣たっぷりの、初夏の爽やかな彩を味わえる。



六義園でたっぷり緑と季節の花々を鑑賞して、今度はハナショウブを目指して、小石川後楽園へと向かう。






2016年6月3日金曜日

Bunkamura「松井ヨシアキ展 ー パッサージュの散歩者」~ドゥ・マゴ・パリ~マニー


今日は、Bunkamuraで開催されている「松井ヨシアキ展 ― パッサージュの散歩者」を見に行ってきた。




先日「国定・国芳展」に来た際に、1階ギャラリーで展示されている、ピエロの絵のおしゃれなタッチと色彩の美しさが目を引いて、何とか開催期間が終わらぬうちに、また来ようと考えていたのだった。

加えて、そのときの半券の割引を利用して、ドゥ・マゴ・パリでの「国定・国芳展」に因んだランチメニューを食べたいというのも、捨てがたい動機になった。

まずは、例によって、ランチの時間が終わる10分弱前に滑り込む。


 カボチャの冷製スープも、アナゴのテリーヌも、とても美味しかった。

ドゥ・マゴはちょうど20年前の5月、ヨーロッパ旅行をした最後の日に、パリの街を一人迷いながら歩いて、やっと見つけて入ったカフェなので、ちょっとだけ懐かしい気持ちになった。


吹き抜けのテラスの見事なダリア。
次回はここで、名物のタルト・タタンを食べてみたい。

そんなパリの通り道(パッサージュ)の風景をテーマにした松井ヨシアキ氏の絵画展であるが、どことなく郷愁を漂わせ、ピエロやギャルソン、さまざまな人々の集う街角の通りやカフェのデッサンや色合いが、なんとも懐かしく、暖かい気持ちにさせてくれる。



聴力を失っている松井氏が描くパリの下町の人々の風景からは、パリの喧騒や哀愁を帯びたバンドネオンの音色が聞こえてくる。
ちょうど、メトロで電車を待つ間に演奏されていた「ラ・クンパルシータ」や、お馴染みの「パリの空の下」などのメロディーが蘇ってくるのである。


オリジナルリーフレットを購入すると、目の前で松井氏がササッと絵を描いて、サインしていただける。
いつか本物の絵も手に入れたいものだ。


最後は、これまたフランス雑貨の輸入店のマニーに寄る。店内は撮影禁止。


白いブリキ缶やカトラリー、植物の絵やシールなどを購入して帰り、今日は丸ごとパリーな一日となった。